「なぜ空は青いの?」
「太陽はどうして熱いの」
誰しも子供のころは「なんで?」と色々なことに疑問を持ち、様々な物事に興味津々だったと思います。
しかし、大人になるにつれて「そんなもんか」「まぁいっか」と疑問を持たなくなっていったのではないでしょうか。
では、なぜ大人になるにつれて”ギモン”を持たなくなるのでしょうか?
今回の記事では疑問を持たなくなることについて、以下の流れでご説明したいと思います。
疑問を持たなくなる理由
その理由はズバリ・・・
脳のキャパシティを有効活用するために進化したためです。
大人になるにつれ、進歩がなくなっているように思いますが、実はそうではありません。
むしろ脳を有効に活用するために進化した結果、疑問を持たなくなったと言えます。
すでに手順書が用意されている業務を行うことを例に挙げて説明します。
手順1つ1つについて、その方法が最適かどうかを考えていると、前任者や関係者へのヒヤリングなども必要となり、1日や2日では終わらないでしょう。さらには初めての業務ですので、時間がかかるだけでなく、常に頭をフル回転で活用しなければならないようになります。
そのような過酷な労働を考えると、自分よりその業務に精通した前任者たちが作成した手順書を信じて、その手順や流れを覚えてしまった方が負担は大幅に減り、時間・体力を節約できます。
このようにして、考えなくてよいものを排除し、より脳を使わなければならないときに使えるように進化した結果、疑問を持たなくなっていきます。
考えなくてよいものの中に「業務」が含まれていることに違和感がある方もいらっしゃるかと思います。
ここで質問ですが、
今現在請け負っている全業務の必要性について、あなたは説明できますか?
資料の作成自体が目的になっている、前例踏襲で行っている、上司に言われたから行っているなどの理由のものがあるはずです。
それらが1つでもあれば疑問を持たなくなることへの一歩を踏み出してしまっているといえます。
疑問を持たない弊害
疑問を持たないことは進化と説明しましたが、良いことばかりではありません。
最も弊害となることは、物事の「本質」を捉えることができない可能性があるということです。
作業を行うだけなら意味を理解しなくても出来てしまいます。
では、本質を捉えることができないと、どのようなデメリットがあるのでしょうか?
大きな問題としては、「業務改善」「トラブル対応」ができないことが挙げられます。
「業務改善」であればより良い方法、「トラブル対応」であれば実施可能な最善の方法を考えなければなりません。
この2つに共通することは、業務の意味を理解し、代替案を考えるということです。
再度、例を挙げて説明すると、英語を話せるようになりたいと思っているときに、外国の歌でも何百回と聞けば、意味がわからないままでも歌えるようになります。
しかし、英語の勉強のために聞いていた歌をただ歌えるようになったとしても、意味を理解していないので”その歌”しか歌えません。
言い換えると、外国の歌詞の意味(本質)がわからなくて歌える(作業できる)ということになります。
ここまでの内容をまとめると
疑問を持たないことで生じる弊害は「本質」を捉えることができないことです。
そして、本質を捉えることができないと、ただ単純な作業になってしまいます。
疑問を持つために
では、疑問を持たない弊害を防ぐためには、どのような方法があるのでしょうか?
その方法は、どのような作業においても「背景」を理解するように努めることです。
先ほどの外国の歌の例で言うと、何を伝えたい歌なのかを考えるということです。
何を伝えたい歌なのかを考えていくと、歌詞の意味を理解する方向に脳を使うようになります。
「指示待ち人間」「思考停止」などと揶揄される人たちは、仕事の背景を理解しようとせず、目の前の作業をこなす、単純作業になってしまいます。
”なんのための仕事なのか”という背景を理解していない、言い換えると疑問を持たなくなったことで、このような結果を招いてしまいます。
背景を理解するように努めることで、これまで抱かなかった疑問を持てるようになります。
今一度、子供の頃の気持ちを取り戻し、誰かに疑問をぶつけてみませんか?
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